出口のない心霊スポット“あれ”はまだついてくる

場所にまつわる怪談

出口のない心霊スポット“あれ”はまだついてくる

これは、俺が大学二年の夏、サークル仲間と行った心霊スポットでの体験です。
信じてもらえないかもしれないけど、今でもあの夜のことを思い出すと、背中がゾワッとします。
いや、今でも“何か”がついてきてる気さえするんです。

うちの大学のオカルト研究会は、人数も少なくて、わりとゆるいサークルでした。
夏の合宿のノリで「本当にヤバいとこ行ってみよう」って話になって、地元で有名な“××トンネル”へ行くことになったんです。
そこは昔、工事中に作業員が何人も亡くなったとか、女の霊が出るとか、いろんな噂がある場所でした。

夜11時、4人で車に乗り込んでトンネルの近くまで向かいました。
俺、リーダーの沢田先輩、お調子者のマコト、無口でちょっとオタク気質のヒロシ。
車を降りた瞬間、空気が急に冷たくなったのを覚えています。夏の夜なのに、風がひんやりして、鳥肌が立ちました。

懐中電灯を持って、俺たちは無人のトンネルに足を踏み入れました。
道の両脇は草が生い茂り、遠くで何かの虫が鳴いている音だけが聞こえる。
トンネルの中は思っていたよりも狭くて、ライトを向けても先がぼんやりとしか見えなかった。

「これ、マジでヤバいやつじゃねーの?」
マコトがふざけながらも、どこか落ち着かない声で言ったのを覚えています。
でも、俺たちはそのまま奥へと進みました。きっかけは、何でもなかったんです。

ヒロシが急に立ち止まって、後ろを振り返った。
「いま、誰か来た?」
「は? 何言ってんの?」とマコトが笑い飛ばしたけど、俺も少し違和感を覚えてた。
確かに、背後に何か気配があったような……でも誰もいない。

それでも俺たちは引き返さず、トンネルの中央付近まで来たときでした。
突然、ライトが一つ、バチッと音を立てて消えたんです。俺の手に持っていたライトでした。
「おい、電池か? マジかよ……」
慌てて叩いても、もう点かない。しょうがなくスマホのライトをつけようとしたとき――

ヒロシが小さくつぶやいた。
「うしろ、いる」

誰?と聞こうとしたとき、俺の耳に、かすかな女のすすり泣く声が入りました。
それは、確かに俺たちのすぐ後ろから聞こえていた。トンネルの奥じゃなく、入口でもない。真後ろです。

「帰ろう……今すぐ出よう」
沢田先輩がいつになく真剣な顔で言った。
俺たちは一斉に引き返し始めたんですが、出口がやけに遠く感じたんです。
さっき通った距離なのに、なぜか足が重く、空気もどんどん冷たくなっていく。

それでも必死で走って、なんとか外に出た瞬間、急に空気が軽くなって、全員がその場にへたり込みました。
「なんだったんだ、アレ……」
マコトが震えながらつぶやいた。

けれど、本当に怖かったのは――そのあとです。

次の日から、ヒロシが大学に来なくなりました。
LINEも既読がつくのに返事はない。家に行っても出てこない。
心配になって親御さんに連絡すると、ヒロシは熱を出して寝込んでるとのこと。

でも、数日後、ヒロシが俺の部屋に突然来たんです。
やつれた顔で、無表情のまま、ただこう言いました。

「まだ、ついてきてる」

「え?」と聞き返すと、ヒロシは俺の背中を指差しました。
「おまえにも……いるよ。気づいてないだけで、ずっといる」

その言葉を聞いた瞬間、首筋がぞわっとして、何かが背中を這うような感覚に襲われました。

ヒロシはそれきり、大学を辞めました。
どこに行ったのか、誰も知りません。

今でも夜、部屋の鏡を見ると、たまに映ってはいけない“何か”が映る気がします。
スマホのカメラでも、時々ノイズが走ることがある。
それが電波のせいなのか、“アレ”のせいなのか――もう、確かめたくありません。

あのトンネルには、たぶん“入ってはいけない領域”があったんです。
俺たちは知らずに、そこを踏み越えてしまった。

最後にひとつだけ、これから肝試しや心霊スポットに行こうと思ってる人に伝えたい。
見えないからって、いないわけじゃない。
そして、一度目が合ったら、もう終わりかもしれない。

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