「血の系譜に取り憑く女」―玄関の外にいるのは、知ってる顔をした“知らない誰か”―

家にまつわる怪談

「血の系譜に取り憑く女」―玄関の外にいるのは、知ってる顔をした“知らない誰か”―

※この話はAIによる創作怪談で、全てフィクションです。

これは、俺の家にまつわる話です。
正直に言うと、あまり人に話したくはないんです。でも最近また“気配”を感じるようになって……誰かに伝えておかないと、と思いました。

俺は今、普通の会社員をしています。実家を出て、都会のワンルームで一人暮らし。親も元気で、兄弟もいない。表向きは、ごく普通の家庭です。
でも……俺の家系には、ある“呪い”のようなものがあるんです。物心ついたころから、母に何度もこう言われました。

「夜、見知らぬ人が家に来ても、絶対に玄関を開けちゃダメよ。
たとえ知ってる顔でも、返事しちゃいけない。あの人たちは“うちの血”を探してるのよ」

子どものころは、よくあるしつけだと思ってました。でも、大人になるにつれて、少しずつおかしいと思い始めたんです。

たとえば、うちの親戚はなぜかみんな早死にします。
母の姉は30代で病気で亡くなり、祖父は階段から落ちて即死。
いとこの兄ちゃんも、就職が決まった直後に交通事故で……
事故や病気という形だけど、みんな“急に”逝ってしまうんです。しかも、不思議とみんな夜に亡くなっている。

ある年の夏、母が体調を崩して寝込んだとき、俺は実家に戻って看病をしていました。
夜中、トイレに起きたとき、ふと玄関の方から音が聞こえたんです。

“コツ、コツ……コツ”

硬い靴音のような、ゆっくりとした足音。
うちは田舎の一軒家。こんな時間に誰かが来るはずがない。

でも、その足音は確実に近づいてきて、玄関の前で止まりました。
……そのとき、ノックはなかったんです。音が止まったまま、気配だけが濃くなる。

そして次の瞬間、“声”がした。

「……開けて。……帰ってきたよ」

女の声。知らない声でした。でも、不思議と懐かしいような響きがあって、思わず返事しそうになった。

その瞬間、二階で寝ていたはずの母が突然叫びました。

「開けるな!! 絶対に返事するな!!」

驚いて階段を駆け上がると、母は布団の中で震えていました。
「来たのね……。あの人たち、血のにおいをたどってくるのよ。私の父も、母も、みんな連れていかれた」
母は、そう言って、ぽつりぽつりと話し始めました。

――私たちの家系は、明治のころ、とある山村で“禁忌”を犯したらしい。
干ばつで困った村人たちが、神に捧げる生け贄を“他の村”から盗んできて、山奥で殺した。
その時の生き残りが、うちの先祖だった。

「そのとき流れた血が、ずっとついて回ってるのよ。
誰かが弱ると、必ず“あの人たち”が迎えにくるの。
血が絶えない限り、終わらないのよ……」

そのときの母の目は、正気ではなかった。
でも、それ以降、夜にあの足音は来なくなりました。
代わりに、母の体調は悪化していきました。秋には寝たきりになり、冬にはもう……声も出せなくなっていました。

そして年が明けたある晩、また、玄関の前に“音”が来ました。

“コツ、コツ……コツ”

俺は、気づいていました。
今度は母に代わって、自分が呼ばれているのだと。

でも、怖くて、動けませんでした。
耳元で誰かが「おいで」と囁いたような気がしたけれど、必死で目を閉じて耐えました。
朝になって玄関を見に行くと、外には何の痕跡もなく、ただ――ドアノブに、黒い手の跡のようなものがついていました。

母はその日の夕方に息を引き取りました。
それ以来、誰にもこの話はしていません。
でも、最近また、夜になるとあの足音が近づいてくるようになったんです。

もしこれが、俺の番だとしたら……
誰かに、この話を伝えておきたかった。

うちの血を、知らない誰かが引かないように。
“あの人たち”に、あなたが見つからないように。

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