※この話はAIによる創作怪談で、全てフィクションです。
私は今、在宅で仕事をするフリーランスです。
だけどたまに、夜になると押入れが気になって眠れなくなる。
それは…私がまだ7歳だった頃の話。
当時、家は古い平屋で、和室の押入れが大きかった。
父も母も共働きで、放課後はいつもひとり。
ランドセルを置いて、テレビを見て、おやつを食べて…
そして、あの部屋で過ごすのが日課だった。
ある日、ふと押入れの奥から声が聞こえた。
「…ねぇ、あそぼう?」
優しいような、小さなような、でもどこか空っぽのような声。
最初はテレビの音だと思った。でも、テレビはついていなかった。
押入れのふすまを開けても、誰もいない。
けれど奥の暗がりから、ふわっと冷たい空気が流れてきた。
目を凝らすと、畳が少しだけ、へこんでいるように見えた。
次の日も、その次の日も、また声がした。
「ねぇ、あそぼうよ…ひとりでさみしいの」
なぜだか、私は怖いのに、押入れを見に行かずにはいられなかった。
まるで引き寄せられるように。
ある雨の日の夕方。
その声は少し強くなっていた。
「いっしょにここであそぼうよ」
そう言って、押入れのふすまが、ひとりでに少しだけ開いた。
私は、手が勝手に動くみたいに、その隙間に指をかけて開けた。
すると――奥の闇に、白い手が見えた。
細くて、子どもの手。
でも指は全部、逆に曲がっていた。
悲鳴をあげようとしたけど、声が出なかった。
その手が、にゅうっと伸びてきて、私の腕に触れた瞬間、
押入れの奥から、もうひとつの声が重なった。
「だめ…この子は、まだこっちに来ちゃだめ」
バタン!と押入れのふすまが閉まった。
私は腰を抜かして、気がつくと母が帰ってきていた。
あの声のことも、白い手のことも、母に話すことはなかった。
だって、信じてもらえる気がしなかったから。
でも…引っ越す前の最後の日、押入れの奥に小さな紙が貼ってあるのを見つけた。
「三十年 封印の地」
古い筆文字で、そう書かれていた。
今でも、ときどき、ふと耳元でささやく声がする。
「ねぇ…また、あそぼうよ」
私はそのたびに、あの日の押入れを思い出す。
あの子は、今もまだ、誰かと遊びたがっているのかもしれない。