※この話はAIによる創作怪談で、全てフィクションです。
あれは、大学二年の夏休みだったと思います。
地元に帰省していた俺は、暇を持て余していた。
中学の同級生の祐介、航太と久しぶりに集まって、肝試しでもしようって話になったんです。
「そういやさ、山の裏手にある廃寺、知ってるか?」
祐介がそう言ったとき、俺はピンとこなかった。
でも、航太は顔をしかめた。
「……あそこ、入ったやつで、行方不明になったやついたよな」
それを聞いて、逆に興味がわいてしまった。
安直だったかもしれません。でも、若気の至りってやつです。
その夜、俺たちは懐中電灯を手にして、山道を登った。
廃寺までは、林道を30分ほど歩く。
道はほとんど獣道になっていて、空気がじっとりと重かった。
ようやくたどり着いたその寺は、瓦は落ち、柱は崩れ、まさに“呪われた場所”って雰囲気だった。
でも、不思議と本堂だけはほぼ無傷だった。
「入ってみようぜ」
祐介が無邪気に言った。
俺も怖さはあったけど、後には引けず、3人で本堂の戸を開けた。
ぎぃ……と軋む音がして、腐った畳の匂いが鼻をついた。
中は、真っ暗だった。
懐中電灯で照らすと、奥の祭壇に、布がかけられた仏像のようなものが見えた。
「……なんで布、かかってんだ?」
航太がつぶやいた。
そして祐介が、軽く笑いながらその布を引っぺがした。
その瞬間――
「やばいッ!!戻せッ!!」
航太が叫んだ。
見えたのは、仏像じゃなかった。
それは、首のない僧侶の像だったんです。しかも、真新しい血のようなものが、胴体から垂れてた。
何より怖かったのは――その像の前に、“生首”が置かれていたこと。
坊主頭の、目を見開いた男の顔。
それが、にやりと笑ったんです。
「……おまえか……」
誰かの声が、本堂の中で響いた。
女でも男でもない、湿ったような、引きずるような声でした。
思わず後ずさって、足元の畳に足を取られて転んだとき、廊下の奥から音が聞こえた。
「ザッ……ザッ……ザッ……」
誰かがこっちに近づいてくる音。
それは、足音じゃなくて、“引きずる音”だった。
ライトを向けた。
見えたのは、袈裟を着た僧の姿。
でも、その顔が――なかった。
顔が……ついてない。
肩から上が、まるで削り取られたように空洞だった。
なのに、俺たちにまっすぐ向かってきたんです。
「逃げろッ!!」
叫んで、俺たちは転がるように本堂を飛び出した。
でも、そこからの記憶が……あやふやなんです。
気づいたら、山道の入り口に倒れてました。
祐介の姿がなかった。
警察にも言いました。
でも、「そんな寺は存在しない」「山には廃墟もない」と言われた。
祐介は、未だに行方不明のままです。
数週間前、久しぶりに地元に帰ったときのことです。
駅のトイレで、ふと鏡を見たとき、背後に白い袈裟を着た影が映っていた。
俺は振り向けなかった。
ただ、耳元で、あの声がしたんです。
「……つぎは、おまえ……」
それ以来、夜になると、背中がひどく冷える。
―好奇心で足を踏み入れたその場所に、帰り道などなかったのかもしれない。