303号室の女――ベッドの下の“もう一人”と目が合った夜

場所にまつわる怪談

303号室の女――ベッドの下の“もう一人”と目が合った夜

※この話はAIによる創作怪談で、全てフィクションです。

あの夜のことを、俺はいまだに誰にも話せていない。
彼女と付き合ってちょうど半年、仕事帰りに久しぶりに会って、たまたま帰る時間が遅くなってしまった。

そのまま別れるのが惜しくて、彼女がぽつりと、「今日はどこか泊まろうか」って言ったんだ。

俺らはまだ同棲もしてなかったし、そんなことは初めてだったから、少しドキドキしながら、近くの大人のホテルを探した。

都内にある古びたラブホテルだった。
選んだ理由はただ一つ――安かったから。

フロントは自動精算機で、店員の顔は見えなかった。
タバコのにおいが染みついたエレベーターで3階へ。

部屋番号は、303号室
そのときは、特に何も感じなかった。

部屋の中は清掃も行き届いていて、それなりにきれいだった。
ベッドも広いし、ジャグジーもあるし、「思ったより悪くないじゃん」なんて彼女と笑い合っていた。

それから、シャワーを浴びて、晩酌代わりにコンビニで買ってきた缶チューハイを飲んで、ベッドに入った。

そのあとすぐのことだった。

“コン、コン……”

ドアが、鳴った。
部屋の入り口の方から、はっきりと。

最初は、隣の部屋か廊下の音かと思った。でも、また聞こえた。

“コン……コン……”

今度は少し長く、重たく響いた。
俺はすぐに立ち上がって、のぞき穴を覗いたけど、誰もいなかった。

「誰かのイタズラか?」って言ったけど、彼女はすでに顔をこわばらせていて、黙って首を横に振った。

仕方なく気にせずベッドに戻った。
でも、数分後――またノックが鳴った。

今度は、一度じゃなかった。
“コン……コン……コン”
リズムもおかしい。ドアじゃなくて、部屋の壁から聞こえてくるようにも思えた。

「おかしくない?」
彼女が囁くように言った。

俺は怖がらせないように、「気のせいだって」と笑ってみせたけど……自分の手のひらが、汗でびっしょり濡れてたのを覚えてる。

そして――三度目の“音”は、もうノックじゃなかった。

“ギィィ……”

明らかに、ドアが少し開いた音だった。

俺は跳ね起きて、入り口へ走った。
でも、チェーンロックはかかったまま、ドアは閉じられていた。
だが、ドアノブには、誰かの手の跡がくっきりと残っていた。 湿った、冷たい手のひら。

そのとき、後ろから彼女が小さな声で言った。

「……ねぇ、さっきベッドの下、誰かいたよね?」

頭が真っ白になった。
「何言ってんだよ」と言いかけたけど、声が震えて出なかった。

俺はライトをつけて、ベッドの下をのぞいた。

何もいない。

でも、確かに何かがあった形跡はあった。
古い髪の毛。…と、それよりも異常だったのは――人の形にへこんだシーツの跡が、もう一つあったこと。

俺たちの横に、もう一人、誰かが寝ていた

その夜、眠れなかった。

テレビをつけっぱなしにして、明け方まで起きていた。
午前四時ごろだったと思う。

俺がウトウトしかけたとき、テレビの画面が、急に砂嵐になった。
と、同時に。

“303……サンマルサン……ワタシモ……”

女の声で、低く、どこからともなく響いてきた。
テレビからか?部屋のスピーカー?わからない。ただ、間違いなく聞いた。

彼女はその瞬間、突然大声で泣き出した。
「やだやだやだ、帰りたい、帰りたいっ……!!」

俺も限界だった。
朝の5時すぎ、外がうっすら明るくなったのを見て、部屋を飛び出した。

チェックアウトもせず、階段を駆け下りてフロントを通りすぎた。
逃げるようにして車に乗り込んだとき、バックミラーを見て、心臓が止まりかけた。

エレベーターの前で、白いワンピースの女が立っていた。
髪は顔にかかり、じっとこっちを見ていた――気がした。

後日、俺たちはあのホテルを調べてみた。

数年前、303号室で女性が自殺したという噂が出てきた。
その夜から、宿泊客の通報や苦情が相次いで、部屋番号を変更したらしい。

でも――俺たちが泊まった時、部屋は確かに「303」だった。
今、同じホテルのサイトを見ても、「302」の次は「304」になってる。

じゃあ、あの部屋は、なんだったんだろうか。

あの夜、ベッドにいた“もう一人”は、今どこに行ったんだろうか。
そして、今も、誰かのカップルの隣で、じっと横たわってるのかもしれない。

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