※この話はAIによる創作怪談で、全てフィクションです。
俺の名前は直人。
25歳で、地元の工場に勤めてる。
仕事はきついけど、寮が安くて助かってる。
……ただ、それには理由があったのかもしれない。
この話は、引っ越してから3ヶ月目の、夏の終わりに起きたことだ。
寮は古くて、風呂とトイレが一緒になったユニットバス。
壁も薄くて、隣のいびきまで聞こえるような造りだったけど、夜は静かだった。
最初に異変を感じたのは、ある夜、風呂に入ってたときだった。
湯船につかって目を閉じてると、「ぅぅ……あぁ……」って、どこか遠くから聞こえた。
最初は隣の部屋のテレビかと思ったけど、音が微妙に揺れてる。こもってる。
水の中から聞こえるような、変な響き方だった。
耳を澄ますと、風呂の栓のあたりから、ぼこ……ぼこ……って空気が抜ける音がして、同時に“声”が濃くなっていった。
「たすけて……ここから……だして……」
一瞬、体が固まった。
風呂の水面を見ても、何もない。
でも、確かに誰かが言った。そんな気がした。
それからというもの、毎晩のようにうめき声が聞こえるようになった。
仕事でクタクタなのに、風呂に入るのが怖くなって、シャワーだけにしてた。
でも、シャワーでもダメだった。湯が排水口に流れ込むと、また聞こえてくる。
「わたし……ここに……いる……」
ある日、勇気を出して栓を抜いた。
ゴボゴボと水が流れながら、排水口の奥から空気の泡と、黒い何かが一瞬、浮かびあがった。
髪の毛だった。しかも、人の頭くらいの量。
飛び退いた拍子に、後ろの壁に背中をぶつけた。
でも、それどころじゃない。
浴槽の底に、“顔”がうっすらと浮かんでいた。
水に溶けるように、白い女の顔。目だけが、まっすぐこっちを見ていた。
その日から、風呂の外でも気配を感じるようになった。
夜中、風呂場のドアの向こうから、コツン……コツン……って、指先でノックされるような音がする。
風呂を使わなくなった。
でも、何日かすると、同僚に言われた。
「お前んとこの風呂、夜になると“うめき声”してるって、階下のやつが文句言ってたぞ」
誰も入ってないのに。
水も流してないのに。
俺は寮の管理人に相談した。
すると、ひと言だけ返ってきた。
「……あの部屋、昔は女子寮だったんだよ。風呂で亡くなった子がいてね……水が抜けなくて、溺れたらしい」
原因不明の事故だったらしい。
ただ、遺体が見つかったとき、浴槽は空っぽだった。
なのに、遺体の肺からは、異常な量の水が出てきたという。
俺は荷物をまとめて、寮を出た。
いまだに誰にも話してない。
ただ――引っ越して最初の夜、風呂に入ったとき、排水口から小さな“声”がした気がした。
「……ここじゃないの?」
その夜は、風呂に栓をしたまま眠った。