二番目の扉 ――旧校舎のトイレに、あの子は今もいる。

学校の怪談

二番目の扉 ――旧校舎のトイレに、あの子は今もいる。

中学二年の冬でした。
うちの学校には使われていない旧校舎があって、そこには“七不思議”の一つがあるんです。
「旧校舎の女子トイレ、二番目の個室には入るな」っていう話。

けど、私はそういう話をあまり信じてなくて。
友達と肝試しのノリで、放課後の旧校舎に忍び込んだのが、すべての始まりでした。


旧校舎は、昼間でも薄暗くて、窓も割れてたりして、埃とカビの臭いが鼻をつきました。
目的の場所は、二階の女子トイレ。ドアの色は他のより少し黒ずんでいて、すでに空気が違いました。

友達の真奈が、「入って確かめてきてよ」と笑いながら言ったんです。
しぶしぶ一人で入って、個室の扉を一つずつ押していきました。

一番目の個室……ギィィ、と錆びた音を立てて開いたけど、誰もいない。
問題の二番目――手を伸ばしかけたそのとき、背中の空気が凍るように冷たくなったんです。


それでも、「誰もいないって証明してやる」って気持ちで、私は二番目の扉を押しました。

……開きませんでした。

でも、鍵はかかってない。ガタガタ揺らしてたら、中からノブが“カチャリ”と回ったんです。

怖くなって、一歩下がったその瞬間、扉の下の隙間から、白くて細い“足”が見えました。
ぬるりと、動いてるんです。爪の先が真っ黒で、足首に何か紐みたいなものが絡んでて――

もう、悲鳴を上げることもできず、真奈を置いて私は走って逃げました。


次の日、学校に真奈は来ませんでした。

連絡もつかなくて、先生も「風邪か何かじゃないか」としか言わない。
でも私には分かってたんです。
あのトイレで、真奈は“見た”んだ。私と違う“何か”を。


数日後、気になってまた旧校舎に行ったんです。
今度は一人じゃなかった。もう一人の友達も一緒でした。

でも、女子トイレのドアの前で止まりました。
なぜなら、そこに“真奈”が立ってたからです。

制服のまま、顔色もまるで死人みたいに白くて、笑ってたんです。

「……やっぱり、あの子いたね」って。

私、頭が真っ白になって。でも、そのとき、後ろの友達が「真奈?なに言ってるの?」って小声で言った。
見えてるのは、私だけだったんです。


後日、こっそり図書室で古い新聞を調べたら、40年前に旧校舎のトイレで女子生徒が亡くなっていた記事がありました。
いじめで閉じ込められて、誰にも気づかれずに――。
見つかったのは二番目の個室。
足には縄の跡。


今は旧校舎、完全に立入禁止になってます。
けど、時々、旧校舎の窓から、真奈に似た誰かがこちらを見ているんです。

あの時、扉を開けてたら、きっと“私”がそこにいたんでしょうね。
……あの白い足の代わりに。

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