4人目の部屋割り【後編】

家にまつわる怪談

お笑い芸人がシェアハウスに住んだら...【後編】

※この話はAIによる創作怪談で、全てフィクションです。

あの家を出てから半年、俺たち「ベランメェ」は少しずつ仕事も増え、ようやくバイト漬けの毎日から抜け出しかけていた。

だが、ある日――ネタ合わせ中に、マサが突然言い出した。

「…なあ、最近、夢に出てこないか?あの家の“納戸”」

俺は冗談で返そうとしたが、リョウも黙ったまま、うなずいた。

実は、俺もだ。

夢の中で、あの納戸の引き戸が勝手に開き、何かがこっちを見ている
顔が見えそうで見えない。でも、笑ってる。
そして、「戻ってきて」って、囁く声がする。

これは偶然じゃない。
そう思った俺たちは、調べ直すことにした。あのシェアハウスの過去を。

区役所では限界があった。
だが、町の古い図書館には、思いもよらない情報が残っていた。

1980年代、あの住所には「小松」姓の一家が住んでいた。
父親は建築関係の職人、母親は内職、娘が1人。

だが、家族は4人だった。

図書館の地域誌に載っていた新聞の切り抜きには、こうあった。

「小松家で火災 母娘が重傷」
「納戸から焼死体、性別不明」
「一家に預けられていた“身元不詳の少女”か」

身元不詳の少女。

調べると、その子は母親の知人の子で、家庭に事情があって“しばらく預かっていた”とだけ記録されていた。

火災の発生原因は不明。
ただ、その少女が一番火の手の強い納戸で見つかったこと、そして――
遺体はまるで、自ら閉じ込められたような体勢だったと記録されていた。

俺たちは絶句した。
あの家の納戸。
俺たちが毎晩、“音”を聞いた場所。

そこに、ずっと……誰かがいたのだ。

「会いに行くか」
マサが言った。

俺たちは、再びあの家へ向かった。
もう人は住んでおらず、取り壊し予定の札が玄関にかかっていた。

無断で入るのはダメだとわかってた。
でも、俺たちはドアを開け、靴を脱ぎ、三人で納戸の前に立った。

引き戸の前で、マサが手を伸ばした瞬間、リョウが囁いた。

「……ありがとう、って聞こえた」

その声にあわせて――ふっと、部屋の中の空気が変わった。
湿っていた空気が、すっと乾いていく。
引き戸を開けた中には、埃っぽい畳と、壁の一角にだけ、妙にくっきり残った手の跡。

子どもの、小さな手。

俺はふと、ポケットに入れていた飴玉を取り出して、そっとその前に置いた。

「寂しかったんだろ。ごめんな。もう俺たちは、笑わせに来たからさ」

リョウもマサも、無言でうなずいた。

そのときだった。

ガラガラ……

自動で閉じるはずのない玄関のドアが、ゆっくり閉じた。

そして、どこかから――くすっ、と笑う声が聞こえた。

今度は、前よりも少しだけ、柔らかく。

あれからまた数か月。

あの家は無事取り壊された。
だが、不思議と、誰の耳にも“あの笑い声”が残っている。

俺たちは今も舞台に立つたび、どこかで見られてる気がする。

でももう、怖くない。
きっとあの子は――今度こそ、笑ってくれている。

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